「静かな柔い女神の行列」

2019年2月25日
月曜日
はれ あめ

 終日在宅。

 昼すぎか、雨が降ってきた。あたたかい雨。
 西脇順三郎の『Ambarvalia』。

   雨

南風は柔い女神をもたらした。
青銅をぬらした、噴水をぬらした、
ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、
潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。
静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、
この静かな柔い女神の行列が
私の舌をぬらした。

 正直、注釈なしでは理解しがたい。しかし、春の雨となるとすぐにこの詩が思い浮かぶ。
 「春雨(はるさめ)じゃ濡(ぬ)れて行(い)こう」の方が老生にはぴったりくるが。